サンクスマーク(仮)のこと




福岡市のfukuoka nextに掲載していただいていたことなので、改めて書くことにした。





見た目からは身体が不自由なことで困る事がある、ということが傍目にはわからない人間は自分一人ではない。
少なくとも私は階段等で悲しい思いをする。これはこちらを読んでもらった方がいいかもしれない。



私のような脳卒中に限らず、発達障害や、今ならコロナの後遺症、等々、一見「普通」に見える人たちはいる。



それは、そう見えるだけ。
健常者なら当たり前に出来る事も、当たり前に出来ない事がある。
でも、「普通に見える」から、「当たり前に出来る」と思われる。
これがとても辛い。
だって当たり前に出来ないから。
「普通に見える」=「同じように当たり前に出来る」ではないのだ。



でも、いちいち「不自由なので出来ません」と言えるわけない。



行政は、「そういうことならヘルプマークを持ってください」と言う。



こんな言い方するのもなんだけど、正直私は自分のお気に入りのバッグにヘルプマークをつけたいとは思えないし、仕事用のバッグなら尚更だ。



「障がいがあるのだから、仕方ないのだから、これをつけなさい」というのは傲慢じゃないかと思う。



何の困り事もない人たちが積極的につけたいと思うのか?



何の困り事がない人たちが積極的につけたいと思わないものを、「障がいがあるのだから、仕方ないのだから、これをつけなさい」というのは失礼にもほどがある。



むしろ、「何の困りごともないけど欲しい」と思えるほどのものであってほしい。



私はデザイナーでもなんでもないド素人だけど、どうにかしたくてこのことに対して行動した。



自分が身に付けても良いと思えるものを作ろうと思ったのだ。



身に付けたところでそれが何を表すものか周知されないと意味がないので、行政の協力が必要と考えた。



ゼロベースよりも僅かでも認知度があるヘルプマークにプラスアルファのようなものの方が周知という意味では良いかと思って、ヘルプマークの「赤」「白」「正十字」「ハート」をベースにしたもので、ブレスレットとバッグチャーム(キーホルダーみたいなもの)を作った。



ブレスレットは、バッグを持っていない時のためだ。
これは、
・身に付けてるかどうかわからないくらい軽いものにしたかったこと
・老若男女つけることができるようにしたかったこと
で、シンプルにしたかった。


バッグチャームは、ブレスレットを着けることに抵抗があるひとのため。
こちらもやはりシンプルにはしたかった。



これらを作って、ヘルプマークを作った東京都の保健福祉局に思いをしたためたものも一緒に送った。



ヘルプマークの二次的なものとして認めてもらいたいという事、実際困っている者の思い、そういったことを懇々と書いて送ったが、返事は残念なものだった。
(返事がきただけでもマシなのだ。読んでもらっただけでもありがたい)



それでも諦めない私がどうしたかというと、「ヘルプマークを作った東京都の協力が得られないのなら、ヘルプマークのデザインは取っ払っていいな」と思い、「ゼロから作って福岡市に送ってみよう!」と思って、できたのがサンクスマーク(仮)だ。



なぜ「サンクス」かと言うと、、、
普通に出来ないことがあることへ周囲の理解を促したいという思いを、
先に「ありがとう」を伝えることで周囲の優しさを促したいということへ
変換させたのだ。



「理解して欲しい!理解してください!」ではなく、「(理解してくれて)ありがとう」を先に伝えるという意味だ。



これは、英語の得意な知人のアイデアによるもので、考えてくれたその人に私は大変感謝している。



とても素敵なアイデアだと思った。



そんなことから出来上がった。



これを広げるために既に行政に協力のお願いはしてみたけれど、難しそう。



広げていきたいな。
広げていけるなら福岡市じゃなくてもいいし、広げるための方法はひとつじゃないけど、、、




認め合い、助け合える社会に、
マイノリティに優しい社会に、
笑顔溢れる社会に、
そんな世の中であるように。



健康体じゃなくても、障がい者じゃなくても、どんな人にも、優しい世の中がいいに決まってる!


※よかったら、こちらにも私の思いは書かれているので、読んでください。


ブレスレットは、
片手でつけられるように、
長さ調整できるように、
余りヒモを収められるように、
作った。
ハートはこれ↑みたいに大きくない…

女30歳、脳梗塞、左半身不自由になりまして

30歳のときに左小脳梗塞で倒れて 左半身が不自由になりました。 リハビリ、トレーニング、 いろいろやってきてます。 同じような状況の方々や リハビリに携わる方々のために、 情報発信をしていきたいと思っております。

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