ふと窓の外に目をやると、背筋のピンと立った花が見えた。
よく見ると、多肉植物の鉢のなかの雑草が凛と立って黄色い花を咲かせていた。
黄色い花がその背筋をピンとさせて立っているものだから、最初は雑草だとは思わなかった。
植えた記憶は無く、雑草だということもわからなかった。
いつの間に花を植えたんだろう…と思って母に聞いて、それが雑草だと知った。
びっくりした。
あんなにきれいにピンと立って、しかも花を咲かせているのが雑草とは…
ピンと立って可愛い花を咲かせていた。
「これなら抜けないでしょう?うふふ」と言わんばかりに。
なんだかすごいなぁと思った。
あぁ自分も頑張ろう、と思えた。
気付いた時にはピンと立って綺麗な花を咲かせて「お見事」と言わせるくらいのこの雑草は私にはなんだか素敵に見えた。
自分が雑草か何かなんてこと、その雑草自身は知らないことで関係のないことで、
きっとしっかりとした根を張り、ただ真っ直ぐ上に茎を伸ばし、花を咲かせ凛と立っていた。
自分もそうありたいと思えた。
上に伸びてもブレないくらいの強い根を張り、伸びてもぐにゃりとならずに背筋をピンと立たせて、自分の花を咲かせる。
それはすごく潔くて素敵だと思った。
ただ真っ直ぐ伸びて凛としたそのたたずまいは、
雑草かどうかとか、大輪の花を咲かせるかどうかとか、そんなことは関係ないのだと思わせてくれた。
雑草でも雑草じゃなくても、
大輪の花でも小さな花でも、
一生懸命生きようとしている姿は素敵なのだと思わせてくれた。
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